こんにちは。日本マイクロソフト Exchange & Outlook サポート チームの御正 (ミショウ) です。
本記事では Outlook にて見覚えのない予定アイテムのアラームが表示される事象が発生したときのチェック ポイントについて説明します。
なお、本記事では従来の Outlook for Windows (以下、従来の Outlook) に焦点を当てて記載しています。
A. 予定アイテムのアラームの場所を確認する
Outlook では、起動直後や、設定した予定や会議の開始前にアラーム通知が表示されます。
このアラームが表示された際、表示されている予定/会議アイテムをダブル クリックし、[ファイル] を選択すると、アイテムが格納されているフォルダーの情報を確認することが可能です。
この方法で、アラームが表示された予定/会議アイテムの保存先を確認しましょう。
格納先が自身の予定表である場合、予定表のなかにそのアイテムがないか確認し、不要な場合は予定アイテムを削除しましょう。
稀に自分が設定した覚えがなく、自身の予定表ではない予定表に登録されている予定/会議のアラームが表示される場合もありますので、他人の予定表のアラームが表示されている場合はその予定表を削除して改善されるか確認してみましょう。
予定/会議アイテムが見つからなかったり、共有予定表を追加し直しても改善しない場合、後段のポイントを確認してみます。
B. 削除済みアイテム フォルダー内にある予定表の確認
手順 A の確認方法でアラームが表示されたアイテムがある予定表が特定できても、その予定表がどこにあるかがわからない場合、メールボックスの [削除済みアイテム] フォルダーに予定表が残っているかもしれません。
[削除済みアイテム] に移動された予定表フォルダーは完全に削除されたわけではないので、そこにあるアイテムのアラームが表示される可能性があります。
[削除済みアイテム] フォルダー内の予定表フォルダーは以下の手順で完全削除することができます。
Outlook の左パネルにある [その他のアプリ] を選択し、[フォルダー] を選択します。
[削除済みアイテム] を展開し、対象の予定表フォルダーを右クリックして [予定表の削除] を選択し、完全削除します。
次にオンライン アーカイブを使用している場合はオンライン アーカイブ メールボックスでも同様に確認してみましょう。
- Outlook の左パネルにある [その他のアプリ] を選択し、[フォルダー] を選択します。
- Outlook の左パネルからオンライン アーカイブを展開します。
- [削除済みアイテム] を展開し、対象の予定表フォルダーを右クリックして [予定表の削除] を選択し、完全削除します。
C. MFCMAPI の利用
冒頭の手順 A でアイテムの格納先の予定表名を確認できていて、ここまで来てもまだ予定/会議アイテムのアラームが表示されていたら、もしかしたらアイテムの保管先の予定表フォルダーが隠しアイテムとしてメールボックスに残っているかもしれません。もしくは、ユーザーが利用しているオンライン アーカイブに他人の予定表フォルダーが保存されている可能性もあります。
少々複雑な手順ですが、MFCMAPI というツールを利用して、アラームの削除と、予定表フォルダーの削除をしてみます。
アラームが表示されてしまうアイテムの格納先の予定表がどこにあるか分かっており、その予定表を削除できる場合は、事前に Outlook にて削除します。
MFCMAPI をダウンロードします。
GitHub から MFCMAPI のファイルをダウンロードして展開し、展開された MFCMapi.exe のプロパティを開いて [許可する] のチェックをオンにしておきます。ダウンロードするファイルは利用している Outlook に応じて以下のファイルです。32 ビット版の Outlook を使用している場合: MFCMAPI.exe.<バージョン>.zip
64 ビット版の Outlook を使用している場合: MFCMAPI.x64.exe.<バージョン>.zip※ 使用している Outlook が 32 ビット版か 64 ビット版かは、[ファイル] タブ-[Office アカウント]-[Outlook のバージョン情報] から確認します。
Outlook が起動している場合は終了します。
MFCMAPI.exe をダブルクリックして起動します。
[Tools] メニューの [Options] をクリックし、以下のチェックボックスがオンになっていない場合はオンにして [OK] をクリックします。
Use the MDB_ONLINE_ flag when calling OpenMsgStore
Use the MAPI_NO_CACHE flag when calling OpenEntry[Session]、[Logon] の順にクリックし、Outlook プロファイルを選択して、[OK] をクリックします。
対象のメールボックス ストアをダブルクリックします。
画面中央に開かれた画面左側のツリーの [Root Container] をクリックして展開します。
展開したツリーを下までスクロールし、[アラーム] フォルダーの右クリック メニューから [Delete folder] をクリックします。[アラーム] ではなく日本語表記で [リマインダー] と表記される場合もあります。フォルダー名が英語の場合は [アラーム] は [Reminders] と表記されます。
確認ダイアログが表示されますので [OK] をクリックします。
[Root Container] - [インフォメーション ストアの先頭] - [予定表] を展開します。英語では [インフォメーション ストアの先頭] が [Top of Information Store]、[予定表] は [Calendar] と表記されます。
[予定表] フォルダー配下に、本記事の序盤で確認したアラームが表示される予定表フォルダーがないか探します。(複数存在している場合もあります。)
手順 12. で確認したフォルダーの右クリック メニューから [Delete folder] をクリックし、[Hard Deletion] をオンにして [OK] をクリックします。
再度 [予定表] フォルダーを展開し、手順 13. で削除したフォルダーが存在しないことを確認します。
同様の手順を繰り返し、[予定表] フォルダー配下にアラームが表示される予定表フォルダーがなくなるまでフォルダーを削除します。
ウィンドウを閉じ 7 番の手順で今度はオンライン アーカイブ メールボックスをダブルクリックして開きます。
11 から 15 の手順をオンライン アーカイブ メールボックスでも繰り返し行います。
MFCMAPI のウィンドウをすべて閉じます。
Outlook を起動し、事象の発生状況を確認します。
D. cleanreminders スイッチの実行
手順 C を行っても改善されない場合、本項目 D 以降の手順を試してみます。
Outlook には cleanreminders スイッチがあり、アラームの削除と再生成ができます。
以下のスイッチを付けて Outlook を起動し、事象が直るか確認してみましょう。
Outlook が起動している場合は終了します。
Windows スタート ボタンの右クリック メニューから、[ファイル名を指定して実行] を起動します。
[名前] に以下のように入力し [OK] をクリックします。
※Outlook.exe
と/cleanreminders
の間には半角スペースが必要となるのでご注意ください。Outlook.exe /cleanreminders
Outlook が起動します。
E. OST ファイルの再作成
Outlook on the Web には他人の予定アイテムのアラームが表示されず、Outlook のみ表示されてしまう場合、ローカルのキャッシュ ファイルにサーバーとは同期されていない予定表が残っているかもしれません。
OST ファイルを削除し、問題が解決されるか見てみましょう。
- Outlook を起動し [ファイル]-[アカウント設定]-[アカウント設定] を開きます。
- [データ ファイル] タブを開き、自身のアカウントを選択し [ファイルの場所を開く] を選択してエクスプローラーを開きます。これで OST ファイルの場所を特定します。
- Outlook を終了し、先程特定した OST ファイルを削除します。
F. PST ファイルの確認
今利用している Outlook で PST ファイルは開いていますか?予定/会議アイテムの保存先がわかっていて、削除済みアイテムを確認しても解決しない場合、もしかしたら開いている PST ファイルのアラームが有効になっているかもしれません。
当該 PST ファイルを右クリックして、[データ ファイルのプロパティ] を選択し、[このフォルダーのアラームとタスクを To Do バーに表示する] がオンになっているかを確認しましょう。オンになっていると PST ファイル内のアイテムのアラームが表示される可能性があります。
オフにして [適用] をクリックすると、Outlook 再起動のメッセージが表示されます。複数の PST を開いている場合、それぞれの [このフォルダーのアラームとタスクを To Do バーに表示する] 設定を確認し、変更したうえで、Outlook を再起動します。
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