こんにちは。日本マイクロソフト Exchange & Outlook サポート チームの杉山です。
本記事では、お問い合わせいただくことも増えている新しい Outlook for Windows (以下、新しい Outlook) のインストール方法について説明します。
新しい Outlook は様々なインストール方法が提供されているため、代表的なインストール方法をご紹介します。
インストール方法の代表例
新しい Outlook のインストール方法としては大きく分けて 3 つのタイプがあり、さらに様々なインストール方法があります。
1) 自動的なインストール
a. Windows 11 23H2 以降の新規インストールまたはアップグレード
b. Windows 10 の更新プログラムによるインストール
c. Microsoft 365 Apps に含まれる新しい Outlook のインストール
2) ユーザー操作による一般的なインストール
d. Microsoft 365 Apps 版の Outlook の右上に表示される [新しい Outlook を試す] のトグルをオンにする
e. ユーザーが Microsoft Store からインストールする
参考: メール/カレンダー アプリの右上に表示される [新しい Outlook を試す] のトグルをオンにする
3) その他の展開オプション
f. Setup.exe を使用したインストール
g. オフライン インストーラーを使用したインストール
h. Windows パッケージ マネージャー (winget) を使用したインストール
i. Microsoft Intune を使用したインストール
1) 自動的なインストール
a. Windows 11 23H2 以降の新規インストールまたはアップグレード
新しい Outlook は Windows 11 23H2 以降のバージョンを実行している Windows 端末にプレインストールされます。
現時点では Windows 11 23H2 以降のバージョンで新しい Outlook のインストールを防ぐことはできません。
しかしながら、インストールされた新しい Outlook を削除することは可能です。
新しい Outlook を表示したくない場合にはこちらを参照ください。
b. Windows 10 の更新プログラムによるインストール
Windows 10 をご利用の場合、2025 年 1 月 28 日にリリースされたオプションの KB5050081 に新しい Outlook が含まれるようになりました。
また、2025 年 2 月 11 日にリリースされた月次セキュリティ更新プログラム KB5051974 を適用することにより新しい Outlook がインストールされます。
これらのインストールにおけるブロック方法などについてはこちらを参照ください。
c. Microsoft 365 Apps に含まれる新しい Outlook のインストール
Microsoft 365 Apps バージョン 2502 以降、クライアント アプリの展開に既定では新しい Outlook が含まれます。
既定では従来の Outlook と新しい Outlook の両方が有効となっておりますが、新しい Outlook をインストールしないよう構成することも可能です。
なお、従来の Outlook と新しい Outlook は平行して実行が可能であるため、両方のアプリをインストールすることで新しい Outlook を評価いただくことをお勧めします。
新しい Outlook を除外したい場合は Office カスタマイズ ツールを使用しインストールの除外を構成します。
また Office 展開ツール (ODT) で XML を変更することも可能です。
※ ExludeApps の ID=”OutlookForWindows” が新しい Outlook アプリを指します。
こちらの項目で記載した内容については公開情報の内容も参照ください。
2) ユーザー操作による一般的なインストール
d. Microsoft 365 Apps 版の Outlook の右上に表示される [新しい Outlook を試す] のトグルをオンにする
既定では、従来の Outlook for Windows (以下、従来の Outlook) アプリの右上に [新しいOutlookを試す] というトグルが表示されます。
このトグルをオンにして、新しい Outlook のエクスペリエンスをお試しいただけます。
従来の Outlook にはいつでも切り替えることができます。
新しい Outlook の使用を開始する詳細な方法はこちらを参照してください。
なお、[新しい Outlook を試す] トグルは管理者より非表示とすることもできます。
e. ユーザーが Microsoft Store からインストールする
新しい Outlook は Microsoft Store アプリとしても提供されているため、Microsoft Store よりインストールいただけます。
参考: メール/カレンダー アプリの右上に表示される [新しい Outlook を試す] のトグルをオンにする
Windows 10/11 に既定でインストールされているメール/カレンダー アプリを使用しており、アカウントが新しい Outlook でサポートされている場合には、メール/カレンダー アプリの右上に [新しい Outlook を試す] トグルが表示されておりました。
また、メール/カレンダー アプリをご利用いただいていたお客様はサポート終了に伴い、新しい Outlook に自動的に置き換えられております。
メール/カレンダー アプリのサポート終了についてはこちらを参照してください。
3) その他の展開オプション
f. Setup.exe を使用したインストール
Microsoft Store へのアクセスを無効化している組織の場合には Office CDN から直接インストーラー (Setup.exe) をダウンロードし、インストールいただけます。
インストール方法は以下の 2 種類あります。
コンピューター単位のインストール
多数のユーザーが使用する端末に新しい Outlook をインストールするには以下の手順を実行します。
- Setup.exe をダウンロードします。
- PowerShell を右クリックし [管理者として実行する] を選択します。
- Setup.exe ファイルがあるディレクトリに cd コマンドにて移動します。
※ c:\temp フォルダーに Setup.exe を保存している場合の例を記載します。
1 | cd C:\temp |
- 次のコマンドを実行します。
1 | .\Setup.exe --provision true --quiet --start- |
Setup.exe を使用したコンピューター単位のインストールはこちらの公開情報も参照ください。
ユーザー単位のインストール
管理者権限にて PowerShell を実行できない場合などはユーザーごとにインストールいただけます。
- Setup.exe をダウンロードします。
- PowerShell を開きます。
- Setup.exe ファイルがあるディレクトリに cd コマンドにて移動します。
※ c:\temp フォルダーに Setup.exe を保存している場合の例を記載します。
1 | cd C:\temp |
- 次のコマンドを実行します。
1 | .\Setup.exe --quiet --start- |
Setup.exe を使用したユーザー単位のインストールはこちらの公開情報も参照ください。
g. オフライン インストーラーを使用したインストール
管理者はローカルの MSIX を使用して新しい Outlook のプロビジョニングが可能です。
これにより、初期インストールに使用される帯域幅の量を最小限に抑えることができます。
端末に応じて以下の MSIX パッケージをダウンロードします。
X64 Windows
X86 Windows
Arm64 Windows
パッケージ情報:
パッケージ ID/名前: Microsoft.OutlookForWindows
パッケージ ファミリ名: Microsoft.OutlookForWindows_8wekyb3d8bbwe
- PowerShell を開きます。
- MSIX ファイルがあるディレクトリに cd コマンドにて移動します。
※ c:\temp フォルダーに MSIX を保存している場合の例を記載します。
1 | cd C:\temp |
- 次のコマンドを実行します。
※ 下記の手順では x64 インストーラーを実行する例を記載するため、ご利用のインストーラーに合わせて適宜変更ください。
端末上のすべてのユーザーのユーザーに対しプロビジョニングする手順 (Add-AppxProvisionedPackage)
1 | Add-AppxProvisionedPackage -PackagePath '.\Microsoft.OutlookForWindows_x64.msix' -Online -SkipLicense |
端末上の 1 人のユーザーに対してプロビジョニングする手順 (Add-AppxPackage)
1 | Add-AppxPackage -Path '.\Microsoft.OutlookForWindows_x64.msix' |
オフライン インストーラーを使用したインストールについてはこちらの公開情報も参照ください。
h. Windows パッケージ マネージャー (winget) を使用したインストール
管理者権限を持たないユーザーによるインストール方法として、上記 Setup.exe のほかに Windows パッケージ マネージャー (winget) を使用した方法があります。
- Windows + X キーを押して PowerShell (ターミナル) を選択します。
- 次のコマンドを実行します。
1 | winget install -i -e --id=9NRX63209R7B --source=msstore --accept-package-agreements |
- [Y] を入力しEnter キーをクリックします。
winget を使用したインストールはこちらの公開情報も参照ください。
i. Microsoft Intune を使用したインストール
Microsoft Intune を使用することにより、登録されたデバイスに Store アプリとして新しい Outlook を展開できます。
この方法ではデバイスの管理者権限は必要ありません。
詳細については organizationで使用するアプリをデプロイするを参照ください。
その他、VDI 環境に新しい Outlook をインストールしたい場合にはこちらを参照ください。
新しい Outlook の展開の概要や前提条件については下記の公開情報も参照ください。
新しい Outlook for Windows の展開の概要
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