※ 本記事は 2026 年 7 月 2 日時点の情報をもとに作成しています。掲載内容は今後更新される可能性があります。
こんにちは。日本マイクロソフト Exchange & Outlook サポート チームの阿部 (アベ) です。
Outlook のテンプレート運用に関するお問い合わせの中で、「MSG ファイルと OFT ファイルの違いは何か」「新しい Outlook ではどのように定型メールを運用するべきか」といった質問をいただくことがあります。
特に従来の Outlook for Windows (従来の Outlook) を利用していた環境では、MSG ファイルをテンプレート代わりに配布していたケースも見られます。一方で、新しい Outlook for Windows (新しい Outlook) への移行を検討する際には、それぞれの形式の目的や役割を理解しておくことが重要です。
この記事では、MSG と OFT の違いを整理しながら、新しい Outlook で利用できるテンプレート機能について紹介します。
はじめに
メール本文や件名などの定型情報を再利用したい場合は、用途に応じて適切な仕組みを選択することが重要です。
- MSG はメッセージの保存に適した形式
- OFT はテンプレート用途向けに設計された形式
- 新しい Outlook では Outlook on the web と共通のテンプレート機能を利用できる
- メール作成を効率化する目的では、OFT やテンプレート機能の利用が選択肢となる
重要なのは、「メールを保存すること」と「新しいメールを作成すること」を区別して考えることです。
MSG ファイルとは
MSG は Outlook メッセージを保存するための形式です。
受信メールや送信済みメールを保存したり、特定のメールをエクスポートしたりする用途で利用されます。
MSG ファイルには本文や添付ファイルだけではなく、メッセージを構成するさまざまな MAPI プロパティも保存されます。
例えば以下のようなプロパティが含まれる場合があります。
- PR_ENTRYID
- PR_SEARCH_KEY
- PR_CONVERSATION_INDEX
- PR_CLIENT_SUBMIT_TIME
- PR_MESSAGE_DELIVERY_TIME
また、Internet Message ID や会話スレッドに関連する属性など、メッセージ固有の情報が保持される場合もあります。
このような特性から、MSG は「作成済みのメッセージを保持するための形式」と考えることができます。
OFT ファイルとは
OFT (Outlook Form Template) は Outlook がテンプレート用途のために提供している形式です。
利用者が OFT ファイルを開くと、新しいメール アイテムとして作成されるため、定型文を繰り返し利用するシナリオに適しています。
例えば以下のような用途が考えられます。
- 障害通知
- メンテナンス通知
- 問い合わせ回答
- 変更作業案内
- 運用手順に基づく定型メール
従来の Outlook においてテンプレートを共有する場合、OFT はテンプレート利用を前提として設計された仕組みといえます。
テンプレート運用で考慮したい MSG と OFT の違い
MSG と OFT はどちらも Outlook で利用できるファイル形式ですが、その設計目的は異なります。
MSG は既存のメッセージを保存することを目的としており、メッセージ固有の各種プロパティを保持できます。
一方、OFT は新しいメッセージを作成するためのテンプレートとして設計されています。
この違いを理解しておくと、運用方針を検討しやすくなります。
例えば以下のように整理できます。
| シナリオ | 適した選択肢 |
|---|---|
| 受信メールや送信メールを保存したい | MSG |
| 定型メールを繰り返し利用したい | OFT |
| 新しい Outlook で定型メールを利用したい | テンプレート機能 |
もちろん、MSG ファイルを開いて内容を編集し、新しいメールとして利用することもできます。
しかし、MSG は保存済みメッセージを保持することを目的とした形式であり、メッセージ固有のプロパティが含まれる場合があります。一方で、OFT やテンプレート機能は定型メールの再利用を目的として設計されています。
定型文を組織内で共有するシナリオなどでは、これらの機能を活用することで、テンプレートとして管理しやすい運用を実現できます。
そのため、定型メールの運用を検討する際には、利用シナリオに適した機能を選択することが重要です。
新しい Outlook のテンプレート機能
新しい Outlook は Outlook on the web と共通の基盤を利用しています。
そのため、従来の Outlook で利用されてきた OFT ベースの運用とは異なるアプローチが採用されています。
新しい Outlook では Outlook on the web と共通のテンプレート機能を利用できます。
この機能を利用することで、例えば以下のような定型文を登録できます。
- 問い合わせ回答
- 障害通知
- 作業完了連絡
- メンテナンス案内
- 各種通知メール
繰り返し利用する文章をテンプレートとして管理できるため、日常的なメール作成を効率化できます。
また、Outlook on the web と新しい Outlook の間で共通の操作性が提供されるため、クライアントごとの差異を意識する場面も少なくなります。
テンプレート機能の利用方法や活用シナリオについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
新しい Outlook への移行を検討している場合は、従来のテンプレート運用を見直すきっかけとして、こちらの機能も併せて確認することをお勧めします。
従来の Outlook と新しい Outlook の違い
テンプレートに関する観点で整理すると、次のようになります。
| 項目 | 従来の Outlook | 新しい Outlook |
|---|---|---|
| テンプレート ファイル | OFT | OFT |
| メッセージ保存 | MSG | MSG |
| Outlook on the web と共通のテンプレート機能 | × | 〇 |
| 主なテンプレート手段 | OFT | OFT またはテンプレート機能 |
新しい Outlook への移行を検討する場合は、従来の OFT ベースの運用をそのまま移行するのではなく、現在利用可能なテンプレート機能も選択肢として検討できます。
まとめ
MSG と OFT は似た用途で語られることがありますが、それぞれ異なる目的で設計されています。
- MSG はメッセージ保存形式
- OFT はテンプレート用途向けの形式
- 新しい Outlook では Outlook on the web と共通のテンプレート機能を利用できる
- メール作成を効率化する際は、用途に応じたテンプレート機能の利用を検討できる
テンプレート運用を検討する際は、「保存済みのメッセージを保持したいのか」「新しいメールを効率的に作成したいのか」を切り分けて考えることがポイントです。
MSG、OFT、テンプレート機能はそれぞれ異なる目的で設計されています。利用シナリオに応じて適切な機能を選択することで、より管理しやすく分かりやすい運用につながります。