アドインを有効にする方法 <第 2 回> アドインがクラッシュした場合

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Outlook のアドインが意図せず無効化される場合、主に以下の 2 つが原因として挙げられます。

a. アドインの動作に時間がかかった
b. アドインがクラッシュした

a については、こちらの記事を参照してください。
この記事では、b の場合の対処方法について説明します。

手動で有効化する方法

無効になったアドインは、以下の 2 つに分類されます。

・アクティブでないアプリケーション アドイン
・無効なアプリケーション アドイン

それぞれ、以下の手順にて有効にすることができます。

アクティブでないアプリケーション アドインを有効にする

  1. Outlook を起動し、[ファイル] タブをクリックします。
  2. 左ペインのメニューから [オプション] をクリックします。
  3. カテゴリ ペインで [アドイン] をクリックします。
  4. 詳細ペインの [アクティブでないアプリケーション アドイン] ボックスの一覧にアドインが表示されていることを確認します。
  5. [管理] ボックスの [COM アドイン] をクリックし、[設定] をクリックします。
  6. [COM アドイン] ダイアログ ボックスで、無効にされたアドインの横のチェック ボックスをオンにします。
  7. [OK] をクリックします。

無効なアプリケーション アドインを有効にする

  1. Outlook を起動し、[ファイル] タブをクリックします。
  2. 左ペインのメニューから [オプション] をクリックします。
  3. カテゴリ ペインで [アドイン] をクリックします。
  4. 詳細ペインの [無効なアプリケーション アドイン] ボックスの一覧にアドインが表示されていることを確認します。
  5. [管理] ボックスの [使用できないアイテム] をクリックし、[設定] をクリックします。
  6. アドインを選択し、[有効にする] をクリックします。
  7. [閉じる] をクリックします。

レジストリを変更して有効化する方法

レジストリの値を変更してアドインを有効にすることができます。
対象のレジストリの場所は複数あります。(1) と (2) をそれぞれ確認してください。

(1) LoadBehavior レジストリの値を 3 にする
アドインの有効/無効は、以下の LoadBehavior レジストリに紐づいています。
LoadBehavior の値を 3 にすることで、アドインを Outlook のオプションからチェック オンにした際と同じ状態にすることができます。

値の場所: HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Office\Outlook\Addins\<アドインの ProgID> (※1)
値の名前: LoadBehavior
値の種類: REG_DWORD
値のデータ: 3 (有効)

※1 LoadBehavior のレジストリの値の場所
LoadBehavior のレジストリの値の場所は、アドインのインストール範囲と OS・Office の構成によって異なります。

HKCU 配下に登録したアドイン (アドインのインストール時に「このユーザーのみ」を選択した場合)
HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Office\Outlook\Addins\<アドインの ProgID>

HKLM 配下に登録したアドイン (アドインのインストール時に「すべてのユーザー」を選択した場合)
Windows 32 bit + Office 32 bit / Windows 64 bit + Office 64 bit (MSI インストール):
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Office\Outlook\Addins\<アドインの ProgID>

Windows 64 bit + Office 32 bit (MSI インストール):
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Microsoft\Office\Outlook\<アドインの ProgID>

Windows 32 bit + Office 32 bit / Windows 64 bit + Office 64 bit (クイック実行):
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Office\ClickToRun\Registry\Machine\Software\Microsoft\Office\Outlook\Addins\<アドインの ProgID>

Windows 64 bit + Office 32 bit (クイック実行):
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Office\ClickToRun\REGISTRY\MACHINE\Software\Wow6432Node\Microsoft\Office\Outlook\Addins\<アドインの ProgID>

HKLM 配下に登録したアドインの場合、HKLM 配下に加えて HKCU 配下にも LoadBehavior レジストリが作成される場合があります。
HKCU と HKLM の両方に LoadBehavior が存在する場合、HKCU の情報で HKLM が上書きされる動作となります。
そのため HKLM に LoadBehavior レジストリがある場合には、HKCU にも存在するかを確認してください。

(2) CrashingAddinList と DisabledItems レジストリを削除する
「無効なアプリケーション アドイン」となっている場合、以下の CrashingAddinList や DisabledItems レジストリが作成されている可能性があります。

値の場所: HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\<バージョン>\Outlook\Resiliency\CrashingAddinList
値の名前 : <ランダムな英数字>
値の種類 : REG_BINARY
値のデータ : <アドインの DLLのパスを表すバイナリ値>

値の場所: HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\<バージョン>\Outlook\Resiliency\DisabledItems
値の名前 : <ランダムな英数字>
値の種類 : REG_BINARY
値のデータ : <アドインの DLLのパスを表すバイナリ値>

※ <バージョン> には以下の数字が入ります
Outlook 2013 : 15.0
Microsoft 365 Apps / Outlook 2019 / Outlook 2016 : 16.0

CrashingAddinList や DisabledItems キー配下に値が作成されている場合には、CrashingAddinList や DisabledItems キーごと削除します。
これらのレジストリの値の名前はランダムで、値のデータはバイナリ値であるため削除対象の絞り込みをユーザーが行うことが難しいため、すべて削除することをおすすめしています。

上述の (1)(2) をグループ ポリシーでのレジストリ変更・スクリプト実行で行うことにより、できる限りアドインが無効化されることを防ぐことができます。
しかしながらアドイン内部や Office の構成に問題がある場合には、このようなレジストリ操作を行ってもアドインは無効化されます。

繰り返しアドインが無効になる場合

Outlook 起動直後に LoadBehavior レジストリが 3 以外になり、3 に変更してもそれが繰り返される場合には、Office の構成に原因がある可能性があります。
Office を修復して解消するか確認してください。

修復実施後も解消しない場合には、アドイン開発元への確認をお願いします。

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